『サガ3 Sol』開発者スペシャルインタビュー

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第3回 笹井 隆司氏

プロフィール:笹井隆司
株式会社スクウェア(現スクウェア・エニックス)を1998年に退社後、フリーで活躍するコンポーザー/ベースプレイヤー。
代表作は、『時空の覇者 サ・ガ3[完結編]』『ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト』『ルドラの秘宝』ほか。
『サガ3 Sol』では、伊藤賢治氏と同様、作曲・編曲を担当した。
音楽制作のほかに、バンドでの演奏活動も行っている。

三浦宏之(以下、三浦):
「サガ3 Sol」では、ご参加いただいて、本当にありがとうございました。
どれもカッコイイ曲でしたので、毎回、届いた曲を聴くのが楽しみでした!

今日はインタビューをさせていただくのですが、笹井さんは、これまであまりメディアに出られていなかったので、貴重なお話をユーザーの皆さんにお届できると思って、このインタビュー自体を楽しみにしていました。

今回は笹井さんのこれまでの歩みや、「サガ3 Sol」に関していろいろお聞きしたいと思っていますので、よろしくお願いします。

では、さっそくですが、笹井さんご自身が、音楽に触れるきっかけというのはどういうものだったんでしょうか?

笹井隆司氏(以下、笹井):
小学校の時に、昭和の歌謡曲が流れるような、AMラジオを聞いていたんですよね。
そこで5、6年生の時かな、スージー・クアトロの曲が流れてきて、なんじゃこの音楽は!?と。
歌謡曲とかアイドルの曲とかじゃない“音楽”を、その時意識した感じですね。

で、その後に映画が好きになったんですよ。16歳位の時かな?
一日3本くらい観たりして、映画のサントラとかも良く買って聞いたりしていました。

三浦:
じゃあ、そういった色々な映画をたくさん観られたことが、ゲーム音楽へ影響しているっていうのもあるんでしょうか?

笹井:
あー、たぶんあると思いますね。うん。

三浦:
ちなみにどんなジャンルの映画を観られてたんですか?

笹井:
ジャンルは何でも観ましたよ。当時は、ブルース・リーが全盛期でしたね。
恋愛モノ、パニック映画も流行っていました。
いわゆるハリウッド映画とかだけではなく、邦画も好きでたくさん観ましたね。

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三浦:
バンド活動というのは、いつ頃からされていたんですか?

笹井:
15歳くらいかな……?
あまり勉強が好きではなかったので、何かそういうことでもしておかないと、と(笑)。
映画をすごく見ていた時期もバンドをやってはいたんですけど、実はそんなに好きじゃなかったんですよ(笑)。
インタビューでこんなこと言うのもアレですけど、単にモテたかっただけなんです(笑)。

三浦:
でも、良くあるキッカケじゃないですか? 結構そういうところからスタートする人も多いですよね。
バンドをやってる人って、カッコイイし、モテるっていうイメージありましたし。
笹井さんもモテたんじゃないんですか!?(笑)
その時は、ご自身で曲を書かれたりはしていたんですか?

笹井:
でも、やってみても意外とモテませんでしたね~。モテるつもりでやった割には……(笑)。
逆に、大人から白い眼で見られることのほうが多かったです。
曲に関しては、ハードロックのコピーなんかをやっていたと思います。
自分でちゃんと曲を書いたのは、プロになってからですね。

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三浦:
曲づくりで、いつも意識されている点とかってあったりしますか?
これぞ自分の曲だ!みたいな、自分的な味付けをする部分など。


笹井:
う~ん、それができればなぁ~(笑)。
自分でちゃんとしたスタイルが意識できてれば良いんですけど、だいたいその場その場で、できることをやるっていう感じなので、特別意識して……ということはあまりないんです。
そういえば、昔よく明るい曲を作ってもどこか暗いって言われていたんですけど、自分ではそういうつもりがないのでわからないんですよね。

三浦:
例えば、イトケンさんだとゲームのキーワードを頭の中に入れてストーリーを作った上で、そこからイメージされる曲を書いていかれるそうですが、笹井さんはどういう発想で曲を制作されているんですか?

笹井:
ゲーム音楽というのは、好きに作ってくださいっていうのはあまりないんですよね。
シナリオだとか、企画の方がイメージを持ってたりするじゃないですか。
なので、どんな感じをイメージするかというのを聞いて、RPGであれば大体指示があるのでそれに沿って作ります。
あえて逆にこういう風に作りたいっていうものがある時は、改めて話を聞いて自分でいくつかサンプルを作って聞いてもらうという感じで進めますね。

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三浦:
ゲーム音楽を作るきっかけを教えてもらってもいいでしょうか?

笹井:
もともとゲームは好きだったんです。
バンド活動中時は週に2~3回、6時間ほどリハーサルをやっていたんですが、ちょうどその頃ファミコンでドラクエが出て。その時はズル休みを何日もしたんですよ(笑)。
それくらいゲームも好きだったし、こんな風に自分で曲を作れたらいいのになぁと思っていました。
まぁ、その時は思っていただけで、しばらく特に何もなかったんですが、ある時パソコンゲームの開発会社にグラフィックとして勤めていた知り合いから、バイトを勧められてまして……。

三浦:
その時は、どんな仕事内容だったんですか?

笹井:
フロッピーにゲームをコピーして、箱詰めをするということを一日に数時間やっていました。
ちょうどFM音源を積んだパソコンが出回り始めて、ちょっとまともな音楽が作れるようになってきたくらいの時期でした。
それで、そこで作っているパソコンゲームに音楽をつけようという話になった時に、「そう言えば笹井君、バンドやってるんだったら音楽できるよね?」と言われ、できるかどうかもわからずに「はい、できます。」って(笑)。
そこから、自分で全て勉強して作りましたね。
で、それでちょっと自信がついたので、パソコン雑誌を見て音楽スタッフを募集しているところに片っぱしからテープを送って。
その後しばらくして、クリスタルソフトの藤岡さん(※)から来てくださいと連絡がありました(笑)。

※藤岡千尋氏。クリスタルソフト退社後、株式会社スクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社し『時空の覇者 サ・ガ3[完結編]』のプロデューサーを務める。

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三浦:
スクウェアに入る前まで、色々な開発会社でゲーム音楽を制作されていたんですか?


笹井:
そうですね、クリスタルソフトを辞めて、当時はフリーで色々やっていました。
一日16時間働くくらい仕事が多かったんですが、スクウェアに入られた藤岡さんから「君、そんな仕事の仕方してたら枯れるよ。」と心配されまして。
「じっくり時間かけて制作できるような仕事があるんだけどやってみない?」と、スクウェアに音楽スタッフとして誘っていただいたんです。
でも、あまりに忙し過ぎて一旦お断りしました。
なので、実は『時空の覇者 サ・ガ3[完結編](以下、サ・ガ3)』って、フリーとして受けた仕事なんです。

三浦:
えっ!? そうだったんですか!? ということは、スクウェアに入られたのは『サ・ガ 3』が発売されてからだったんですか?

笹井:
はい、フリーの際に受けていた仕事が多くて、それが終わるまで入社を延ばしたんです。
『サ・ガ 3』の開発が終了して、開発メンバーが休暇に入ってる頃だったと思います。
入社してからの仕事というと、『ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト』、『ルドラの秘宝』『ブシドーブレード弐』とかになりますね。


三浦:
そういった経緯があったとは知らなかったので、驚きの事実です。

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