コラボの発端は海外のゲームショーでの、北瀬氏による衝撃画像の発表から!?

――2013年E3(※1E3:毎年5月にアメリカで行われる世界でも最大規模のゲーム展示会)での『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』(以下『新生FFXIV』)のプロデューサーレターLIVE(※2プロデューサーレターLIVE:『新生FFXIV』のプロデューサー兼ディレクター吉田氏が、プレイヤーからの質問にリアルタイムで答えたり、ゲームの開発状況や近況などを発表する配信番組)北瀬さんがライトニングのミコッテ衣装の画像を持って現れたのが、「FF GO THERE」キャンペーンにつながるきっかけなんですかね?

北瀬
そうですね、あのサプライズからですかね。もともとは、ディレクターの鳥山から『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』(以下『LRFFXIII』)を立ち上げるときには、発売時期に向けて、いろんなところにライトニングの顔を出したいという話があったんですよ。
鳥山
ああ、そうだった、思い出した(笑)。
北瀬
たしか企画名が「ミリオンライトニング」。その一環であの画像を作ったんです。
吉田
あのときは発売時期が近い『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、新生FFXIV)』を応援しようというコメントもいただきましたね。
北瀬
その流れから結果的に、ライトニングが『新生FFXIV』のF.A.T.E.(※3F.A.T.E.(FULL ACTIVE TIME EVENT):『新生FFXIV』のフィールド上で突発的に発生するイベント)に登場できたりと、いい感じにコラボして盛り上がるようになりました。

――そのF.A.T.E.が遊べるのは、『LRFFXIII』の発売に近いタイミングなんですよね?

吉田
4つのエピソードを2日おきに配信する予定で、『LRFFXIII』の特別なイベントをソフト発売の1週間前に体験できる感じです。
北瀬
『LRFFXIII』のゲーム中にちゃんと登場することになった、ライトニングのミコッテの衣装はかなり好評なのですが、ミコッテの勝利ポーズに関してはちょっとセクシーすぎるっていう反応がありました(笑)。
吉田
いやー、でもクオリティーが高いなと思いましたけどね。
北瀬
イベントシーンとかでのあの衣装は、すごくいい感じですよ。

――『LRFFXIII』でミコッテのウェアを着ると、まわりにいる猫とか動物が後をつけてくるそうです。プログラマーさんが独自に入れたとか。

北瀬
え、そうなの?
鳥山
初めて知った(笑)。
北瀬
そういえば今回の『LRFFXIII』って、街の人の近くを通ると彼らの会話が聞こえてくるのですが、ミコッテのウェアだと「しっぽだぁー」とか、「エオルゼア…… ミコッテ……」とか言うんだよね(笑)。
鳥山
ミコッテのいるエオルゼアは、『FFXIII』の世界ではおとぎ話に伝わる異世界という設定で、街の人に専用のボイスが入っています。
吉田
そういう細かいネタがあると、現場同士、全力で楽しんで作ってるって感じがします(笑)。

――お互いが独自に作り込んでいるんですね。

吉田
開発チーム同士、ライバルには負けられないというプライドじゃないですか? せっかくのコラボで相手のキャラクターを預かってるわけですし。『新生FFXIV』上でのライトニングは、スタッフの熱意でエフェクトとモーションを全部再現してるので期待してください。

「シアトリズム」最新作に、ついに『FFXIV』の曲が!

吉田
ようやく『シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール』(以下『シアトリズムFFCC』)にも『新生FFXIV』の曲が入るんですよね。
まぁ、『ファイナルファンタジー ブリゲイド』(以下『FFブリゲイド』)の開発当初から、何か一緒にやろうよみたいな話はしていたんですよ。ただ、『FFブリゲイド』は自分も初めてのソーシャルゲームで勝手がよくわからないし、吉田君も『ファイナルファンタジーXIV(以下、旧FFXIV)』を新生するのに一生懸命で全然余裕もないって感じでなかなか話が進まなくて。
吉田
あと、『旧FFXIV』のままでコラボをやっても中途半端かなと思って。

――今作は200曲も入っているんですよね?

今回はソフトの容量を倍にしてるので、そらまぁたくさんの曲が入ってますよ。ダウンロードコンテンツもやりたいですし、その時には『新生FFXIV』の曲もじゃんじゃん増やしていきたいなと。

――間さんは2013年の東京ゲームショウのイベントで、北瀬さんや吉田さんと『シアトリズムFFCC』の対戦モードで対決してずいぶんと負けてましたね……。

北瀬さんに負けたのは正直ちょっと油断したというのもあるんだけど、吉田君は練習しすぎだってば(笑)。
北瀬
あれって演出もあって負けたんじゃないの?(笑)
いやいや、演出じゃないですって! あの期間中、リハーサルも含めたらふたりに4連敗してるんですよね。1回も勝ってないの(笑)。
吉田
練習しすぎっていうけど、実際おもしろかったからなあ。ただ、今までやったことなかったから、タッチペンでできると思ってなくて(笑)。
事前になんにも説明しないで、直前にロムをぽんと渡したんですよ。で、最初のリハーサルが終わったらなぜかボタンで遊んでるんですよ。タッチペンで遊べるよって説明したんですけどね。
北瀬
確かに俺も事前に何の説明もされなかったなあ(笑)。
いやいや、さすがに2作目だからわかってくださいよっ!(笑)

――難易度も指定されてなかったらしいじゃないですか。

吉田
そうそうそう、これ、難易度はどれでやるんだろうって(笑)。でも「熟練」まではパーフェクトでクリアできるようになったよ。
結果的に全部の難易度をクリアできるようになるほどの腕前だったという。
北瀬
え、いちばん難しいモードもクリアしたの?
「究極」もクリアできるようになったらしいですよ。「究極」の難易度は、基本的に俺がクリアできないことっていうのがバランス調整の前提なんだけど(笑)。
吉田
あの対決をニコニコ動画で放送してましたけど、「けっこうこのゲームおもしろそうじゃない?」とか「これは買うわ」ってコメントが多かったよね。
あー、それはありがたい! これでつまらなくって、ダメだなって言われてたら何のために髪の毛をピンク(※4髪の毛をピンク:TGSでの『シアトリズム FFCC』対決で、初日に北瀬氏に負け左側頭部を刈り上げ、残った右側の髪の毛をライトニングと同じピンク色にした。2日目には吉田氏に負け、左の刈り上げ部分に「XIV」とそり込みを入れることになった)にしたんだかって(笑)。
吉田
でも、実際ゲームがおもしろかったから。それより今回「カーテンコール」ってタイトルをつけちゃうと、つぎはどうするの?
「『シアトリズム ファイナルファンタジー』は今回で終わり!」です。
北瀬
あ、終わりにするんだ? つぎは?
なんか別の『シアトリズム』を考えます。どうなんだろ? 今度はタイトルの垣根を取っ払ったりとかするのかな?(笑) いずれにせよ、より多くのお客様に楽しんでいただけるよう、ちょっと方向性は変えたいですね。

発売から好調な『新生FFXIV』。社員もみんなプレイ中?

――鳥山さんは社販で『新生FFXIV』を買ったんですっけ?

鳥山
『LRFFXIII』の作業もあったからなかなかできなかったけど、ちゃんとPS3のダウンロード版を買って、遊んでます。

――北瀬さんも遊ばれているとか?

北瀬
そうですね。ソロプレイでもけっこう遊べるからいいよね。
吉田
今の時代にスタートするMMORPGだと、レベル3からパーティを組んでシャウトして、その辺のモンスター狩ってくださいとかは、さすがに無理かなあと。

――ゲームの導入が優しい作りだと思います。

北瀬
導入はよくできてたよね。
吉田
すっごい作り直しましたもん。クエストの導線はギリギリまで調整してました。
鳥山
序盤はクエストが結構多いから、よくあんなに入れたなあって思ったよ。
吉田
かなり導線に気をつけてリトライを繰り返したんですけど、数はアレでも正直足りないと思ってます。
鳥山
でも、あれだけあると飽きないよね。
吉田
辞めどきがある意味難しいですね。お使いだなぁと思いながら、先へ進まざるを得ないという。

――進んだ先々でクエストが発生するから楽でいいですけど。

吉田
あの辺はMMO業界でもまだ答えが出てないんですよね。ストーリードリブンで、積まれていくタスクをひたすら潰していくのが、結局キャラクターを成長させるためには楽な方向なのは事実。アレを外しちゃうとプレイヤーが自分で目的を探さなきゃ行けなくなっちゃうから辛くなるし。でもお使いには飽きたって言う人がいるのもまた事実だから難しいところですね。

――クエストの到達地点につぎのクエストを出す人がいるんですよ。

鳥山
あのテンポ感はいいと思う。
北瀬
到達するとつぎのクエストアイコンが2個ぐらい見えるんだよね(笑)。

――段階を追ってテンポよくレベルが上がっていく仕組みなんですね。

吉田
そこを言ってもらえると作った側はうれしいですねぇ。作るのが大変だった部分なんで。
鳥山
じつはMMOは苦手なんだけど、ソロでもけっこう遊べるし、テンポはいいし。
吉田
そう、そこはすごいこだわったんですよ。オンラインのFFは手を出していないっていう人がけっこう多くて、そういうのを聞くと悲しいんです。だから今回はそのあたりを重視してますね。
北瀬
間君は買ったんだっけ?
先に言いますけど今はまだ俺やってないんですよ。ソフトは手に入れたんですけど、昔の会社の後輩が、頼むから『ジ○ジ○』と交換してくれって(笑)。

――『新生FFXIV』の発売時期はいろいろあって品薄だったんですよね。

ちょうど九州の某社さんからも同じソフトをいただいていたので、さすがに2本はいらないかなーとか思ったんだけど、かわいい後輩の頼みなんでわかったと。
吉田
交換したんだ(笑)。
そしてちょっと後悔(笑)。とりあえずね、『ジ○ジ○』は全ストーリーをクリアしてる。だから『○ョ○ョ』の話ならできる(笑)。残念ながら『新生FFXIV』の話はできない(笑)。

――買い直しましょう(笑)。

 

現FFクリエイターが体験した「ファイナルファンタジー」とは?

――みなさんFFを作る前は1ゲームファンだったと思うんですが、影響されたFFって何ですか?

原体験というか、一番感激したのは『ファイナルファンタジーVI』(以下『FFVI』)ですね。
鳥山
僕らは世代が近いから、みんな任天堂ハード時代のFFが原体験になるかもね。

吉田
僕は『ファイナルファンタジーV』(以下『FFV』)で一回キレてます(笑)。忘れもしない、ラストダンジョンで2時間半ぐらいプレイしていて、宝箱を開けてからセーブしようとしたら、そこから神竜が出てきてタイダルウェーブを食らって全滅。あまりのショックで、電源切らずにカセットを引っこ抜こうとしたぐらい(笑)。
北瀬
『FFV』で挫折って珍しくない? 『ファイナルファンタジーIII』(以下『FFIII』)とかならわかるけど(笑)。
吉田
んー、『FFIII』は僕はあっさりクリアしたんで(笑)。『FFVI』もハプニングなく、すんなり終わったんですよ。『FFVI』ってクラシックFFの究極系ですね。ストレスもないしスムーズに遊べて。
鳥山
オープニングの魔導アーマーが雪道を行くデモから非常に完成度が高くて、ゲームとしてすごくまとまってるんだよね。
吉田
『ファイナルファンタジーIV』も、最短5時間弱クリアとかをやってたんで思い出深いんだけど、『ファイナルファンタジーVII』(以下『FFVII』)の衝撃が大きすぎて。FFは『I』~『VII』までの印象が強いですね。とにかく遊びましたよ。
『FFVII』かー。発売当時は別のゲームメーカーにいたんですけど、そういや当時から知り合いで旧スクウェアに移っていた橋本さん(※5橋本さん:橋本真司氏。株式会社スクウェア・エニックス所属。おもにFFタイトルの統括を担当)に「一週間以内に全部のマテリアを集められたら、お前の食いたいもの何でも食わせてやる」って言われて。そのかわり集められなかったら、当時流行っていた「ちっさいタマゴみたいなオモチャ」(笑)を10個持って来いっていう賭けになりましてですね。ま、負けたっていうか、思えば当時からそんなコトをしていたなっていう(笑)。あぁ、自分は『FFXI』までは全部一通りやってますね。

――鳥山さんは最初のFFって何ですか?

鳥山
旧スクウェアに入社するとき『FFIV』をやったけど……、じつはFFはあんまりやってなかった(笑)。
全員
えー!(笑)。

――吉田さんは『FFXIII』シリーズってプレイされてます?

吉田
『FFXIII-2』の途中まではやってます。FFシリーズはオンラインの『FFXI』をやってないだけですね。同じタイプのMMORPGがあって、そっちに手を出していた時期だったので、掛け持ちができなかったんですよ。だから、開発チームでたまに僕が企画を出すときに、まわりのスタッフに「『FFXI』のアレみたいな感じですね!」っていわれるとわからない(笑)。あとプロデューサーレターLIVEとかでも『FFXI』を例えた質問をされるとまったくわからない(苦笑)。

――『FFXIV』には『FFXI』から来ているプレイヤーさんもいるでしょうしね。

北瀬
それってお客さんには公言してるの?
吉田
してます。インタビューとかでも『FFXI』はプレイ経験がないって言ってます。隠してもしょうがないんで。僕は「ハードコアゲーマー」かつ「オンラインゲーマー」と認識してもらっているので、逆に生半可なことをいうとボロが出るんです。『FFXI』のやり込まれたプレイヤーさんにはすぐにバレてしまうと思います。プロデューサーレターLIVEで、『FFXI』にちなんだ質問がたまに来るんですけど、ほかの視聴者の方から「『FFXI』の質問をすると吉Pが困るからやめようよ」って助けを入れてくれます(笑)。
みんな優しいなあ(笑)。

FFをまとめたゲームが新規プレイヤーの導入に?

――そういえば間さんが担当されている『ディシディア ファイナルファンタジー』(以下『ディシディア』)シリーズは新作の動きはないんですか?

『ディシディア』はもちろん新作を作りたいし、やるつもりもありますよ。前作に関わったメンバーも、ずーっと作りたいって言ってくれてますし。
北瀬
じつは過去のナンバリングFFを年代的にやったことがないプレイヤーさんもいて、『ディシディア』でキャラクターを初めて知る人もいる。『シアトリズム』でも、『FFXIII』はプレイしてないけど、ライトニングの「閃光」って曲は知っているとか。だから、『ディシディア』や『シアトリズム』のようなゲームを導入とするってことも必要なんだよね。
『ファイナルファンタジー アートニクス』で「好きなFFは何ですか?」って質問でファンの方にアンケートを取ったことがあるんですけど、世代別で見ると10代のところは、ほかのナンバリングを一部抑えて、『ファイナルファンタジー零式』や『ディシディア』が人気だったんですよ。
吉田
僕が何年か前に『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』(以下『バトルロード』)を作ってるときもそうでしたもん。『ドラゴンクエスト』の『I』~『IX』までのモンスターを扱ってたんですけど、子供たちがそもそも昔のタイトルを知らないんですよね。そこでレクチャーしてくれるのが、昔「ゆうしゃ」だったお父さんなんですよ。それに『バトルロード』なんかは、親御さんたちによるコミュニティーがすごいんです。自作のカードバインダーを作ったり、いかにカード保存に適したバインダーにするか、それの講習会やったりとか。コミュニティーを作ってもらうのは、今の時代でかいですよ。『ディシディア』シリーズも同じですね。
『ディシディア』が原体験になっている子がたくさんいるってのは、これ当時のメンバーにも伝えます。たぶんみんな喜ぶんじゃないかなー。
北瀬
そう考えると『ディシディア』や『シアトリズム』は、小学校高学年から中学生ぐらいまでの新規ファンの導入には、非常に適したいいゲームだよね。
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